企業型DC③・50歳代研修

~ 果報は寝て待て ~

企業型DCの運用について、全てなかった事にしようと「絶対見ない」と決めてから10年近くが経過し、ついに「その時」が来てしまいました。それは会社が開催する「50歳代研修」というものです。これは50歳以上が受講する社内研修で、定年退職後から一生を終えるまでの人生設計を学ぶ研修です。将来必要な生活費を算出し、退職金や企業年金、厚生年金や企業型DC年金でカバー可能かをシュミレーションし、不足する場合は50歳代から準備できる各種方法を学ぶというものです。シュミレーションを行う上で、まずは現状を認識するという意味で現状の各自の企業型DCの運用状況を持っていく必要がありました。実は企業型DCの運用状況は見たくないとの一心で受講を遅らせていたのですが、57歳を前に受講の催促が来てしまい、ついに受講せざる得なくなりました。

現状を確認する為に運用管理機関のWEBシステムにアクセスし、損はいくら出ているか?恐る恐る見てみましたが・・・・、意外や意外、評価損益はプラスに転じ、拠出来の運用利回りが10%以上となっていました(その際の実データの記録はありませんが、その年の管理会社から資産状況のレポートを下記に添付します)。正直、なにが起こったか、その場では理解できず、受講した頃には世界経済は多少右肩上がりになりつつも、リーマンショックで5、6年間経済は低迷していた筈です。低迷期間で資産は底をつき、そこから挽回できても、僅かな益しかでてないかと思っていました。

更に驚いたのは研修当日の説明内容です。そこで、社員の運用利回りの分布情報が載っていたのです。

10%以上の運用利回りはグラフの右端の方、つまり社内でもかなり良い成績である事がわかったのです。研修での解説によると、収益率0%が多いのはリーマンショックでリスクを回避するため元本保証へ変更、そのままの方がかなり多いとの事でした。数%プラスの方は、リーマンショックでバランス型に切り替えた方、マイナスの方は開始当初は株式だったもののリーマンショックで元本保証等の利率が低い商品に切り替えてしまったそうです。経済は多少回復したものの、半数の方は目標利率2.5%を達成できてなかったのです。

何故このような好成績になっていたかの理由を後から分析したところ、実はリーマンショックのおかげであったことがわりました。これは俗に言う「ドルコスト平均法」と呼ばれる効果です。
ドルコスト平均法の詳細は別コラムで紹介します。

簡単に説明しますと、まず資産評価額と基準価額の関係は以下になります。
 資産評価額=「基準価額」x「購入数量累計」
購入数量は、毎月の積立で増えていき、毎月の購入数量は以下になります。
 購入数量=「積立金額」÷「積立時の基準価額」
つまり、同じ積立金額であれば、積立時の基準価額が安いほど多く購入でき、その後に基準価額があがれば、その「基準価額の差分」x「購入数」が”益”(基準価額が下がれば、当然“損”)となります。

例えば、毎月1.5万円を積み立てていたとします。基準価額が1万円であった場合、
  購入数量=1.5万円(積立金額)÷1万円(基準価額)=1.5(万)口※
となります。この時点での資産評価額は当然積立金額と同じで
  資産評価額=1万円(基準価額)x1.5(数量)=1.5万円
です。
 ※基準価額は1万口あたりの価格であり、当ブログでの数量表現は”(万)口”と表現しています。
後に基準価額が3万円にあがったとします。上記で購入した分の資産評価額は 
  資産評価額=3万円(基準価額)x1.5(数量)=4.5万円
で、その差3万円は益となります。つまり、
  益=2万円(基準価額の差分・3万円―1万円)x1.5(数量)=3万円
です。

実は50歳代研修受講当時の「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」の基準価額は3万円近くになっていました。リーマンショックでは数年間、基準価額が1万円前後で低迷していた時期がありました。つまりリーマンショック中に安く購入した数量x基準価額の差分約2万円の益を生み出していたのです。2008年4月~2013年3月(5年間)の平均購入単価は10,301円、その間の購入数塁計92(万)口でしたので、その間のみで差額2万円x購入数92(万)口=184万の益を生んでいたのです。

怖くて目を閉ざしていたリーマンショックが、実は大きな益を生み出す原動力となっていたのです。
実は『果報は寝て待て』だったのです。(つづく)

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