評価損益、資産評価額という言葉ですが、”評価”の二文字がついています。これは、現在の価値を評価した損益、資産という意味になります。簿記でいう所の、簿価(帳簿上の価値)と似たイメージです。あくまで現在価値なので、その資産や損益は確定したものではありません。将来、上がったり・下がったりする可能性があります。評価損益で、損益がプラスの場合は”含み益”、マイナスの場合は”含み損”と言います。”含み”も未確定の状態を意味します。その未確定の状態を確定させる事を利益確定(通称、利確)と言います。
企業型DCやiDeCoで利確させる方法は運用商品を元本保証型に変更(スイッチング)します。変更後の金額は最低限保証されます。元本保証型商品があり、それにスイッチング可能なのは、確定拠出年金の大きな特徴です。
「基準価額と資産評価額の関係」で説明した通り、資産評価額は以下で計算されます。
資産評価額=(現時点の)基準価額 X 購入数量累計
また、評価損益は
評価損益=資産評価額 – 累計積立金額
になります。
つまり、資産評価額と評価損益ともに、基準価額の上げ・下げで変動するという事です。基準価額が下がって、資産評価額 < 累計積立金額 となった場合、含み損になります。ただし、その基準価額時点の損益なので、確定した損とういわけではありません。将来基準価額が上がれば、含み益に転じます。ドルコスト平均法の前提条件「経済は右肩上がりに成長する」であれば、いずれは含み益に転ずるはずです。従って、暴落で基準価額が下がっても、その時点の位置であり、そこで利確しない限り損ではありません。将来基準価額が上がれば含み益に転じ、そこで利確すれば得をするのです。もし、ほったらかし積立であれば、“利確する日”まで(もしくは利確する日に近づくまで)、日々の基準価額を余り気にする必要はないという事です。基準価額の上げ下げで一喜一憂する必要は、実はないのです。
それでは、“利確する日”とはいつでしょう?
一つ目は、定年退職や転職等で確定拠出年金を移管(企業型DCから、iDeCoや別企業の企業型DC等)の際です。移管は、申し込みから完了まで1か月以上時間がかかる場合が多いので、全額を利確させてから行う場合が多いです。(申し込み時点で利確しないと、1ヶ月以上かかる移管時の基準価額で利確します)実際、私も企業型DCからiDeCoへの移管の際、元本保証型への商品預け替えを実施し、利確をしました。
二つ目は、積立を終わり一時金(もしくは年金)として受取る場合です。通常、その受取時点を“出口”と言います。(“出口”の出方は実は重要で、その方法を出口戦略と呼びます。出口戦略は、また別途紹介します)確定拠出年金は60歳を過ぎれば受取可能で、一時金受取の場合は申し込み(実際には申し込みから売却までインターバルあり)の基準価額で利確され、一括で受け取る事が可能です。年金の場合は運用しながら分割して受取可能ですが、毎回受取額を一定にしたければ一旦利確してから分割受取します。(運用しながらの受取る場合は、運用実績で毎回受取額が変わります)。極論すれば、ほったらかし積立で途中移管する事もなければ、積立開始から受取までの間(通常数十年間)、基準価額を気にする必要はないという事です。
それ以外に”投資成績一番は「投資を忘れた方」の本質論②”で記載の通り、暴落前の”利食い売り”や、”損切り”等で利確するケースもあります。ただ、先に述べた通り評価損益は現時点での評価であり、特に出口近くでなければ含み損でも気にする必要はありません(ただ、気になるのが人間のさがですが・・)
最後に、相場が過熱気味で基準価額が割高の際、一時的に元本保証型商品にして相場が落ち着くまで待つという利用方法もあります。別途、iDeCo編で紹介します。

